サイコロの旅 やり方
2010年3月、2011年3月、2011年8月と、3回にわたってサイコロの旅を行なってきました。
その時の様子をこちらのサイトで公開してきましたが、意外と反響があり、嬉しく思います。
その中で何度か寄せられたのが「自分もやってみたいので、やり方を教えて欲しい」というものでした。
周知の通り、「サイコロの旅」はテレビ番組「水曜どうでしょう」の中の企画であり、僕はそれを元にして企画を進めました。
元の企画からアレンジを加えた部分はありますが、参考になるのであればと思い、以下に書かせていただきます。
3回行いましたが、3回とも少しルールが違うので、3回それぞれについて触れていきます。
2010年3月7日に行った、一番最初のサイコロの旅です。
この時は1回目をダーツによって決めましたが、以下はサイコロを振った2回目以降のルールについて。
この時の移動手段は車。
東北六県を範囲に定め、ゴールの条件は決めていませんでした。
サイコロを振って出た市町村にひたすら向かって行くだけのものでした。
本家では明治製菓のサイコロキャラメルを使っていましたが、僕らは100円ショップのダイソーで買ったややデカいサイコロを使いました。
このサイコロ、結構飛び跳ねるし転がってくれるしで、振るのが楽しくハラハラさせてくれるんですよね。
結果的にはこれを買って正解だった気がします。
(動画にした時も画的になかなかいい感じ)
色は見やすさを重視してオレンジ色に。
で、目的地を1〜6の目にどう割り振るかです。
今回は、東北六県の全ての市町村をクジにして、そのクジを引いた順番に1〜6まで割り振っていきました。
(クジを最初に引いて出たのが青森県黒石市だったら、1の目は黒石市といった具合)
こうして、人の作為を加えずに目を決め、サイコロを振って出たところに向かっていきました。
我々の場合は、「秋田県能代市」→「青森県黒石市」と進み、黒石で「山形県東根市」が出ましたが、向かってる途中で時間切れとなって東根市には辿り着けませんでした。
準備したものについては、クジとサイコロだけです。
1回目は、目的地に辿り着けずに終わったため、虚しさが残りました。
「またサイコロの旅でリベンジしよう」と話をしていましたが、まさか本当にリベンジの時が来るとは、正直その時は思っていませんでした(笑)。
2回目は2011年3月11日に決行。
どうせやるなら徹底的にやるべきだと、2ヶ月くらい前から念入りにスケジュール調整と企画立案が進められました。
「サイコロの旅2 企画書」 (PDFファイル:275KB)
その時の産物がこの企画書です。
全6ページにも及び、完全に悪ノリで書いてましたね(笑)。
(実際は8ページありましたが、アップするにあたり一部削除してます)
やり方については、「サイコロ1」より厳密かつ本家に近い形となりました。
移動は基本的に鉄道。
「青春18きっぷ」を使用し、切符が使用できる範囲を移動するのを原則としました。
移動範囲は日本全国。
スタート地点を宮城県の仙台駅、ゴールを青森県の弘前駅とし、5日間の間に弘前駅にゴールすることとしました。
1〜6の目に目的地をどのように割り振るかですが、ディレクター役(今回は僕)が時刻表を見て、勝手に割り振っていきました。
この、「ディレクターが」「時刻表を見て」についてもっと詳しく教えて欲しいという要望がよくあるので、この時の基準を説明します。
「サイコロの旅2」では、1〜5の目をディレクターが決めました。
初日と2日目は、ゴールから遠ざかる目3つと近づく目2つ。
3日目と4日目は、遠ざかる目2つと近づく目3つ。
最終日は、遠ざかる目1つと近づく目4つ。
これが基準の一つ目。
もう一つは、短時間の移動と長時間の移動の組み合わせです。
1〜2時間程度の短い移動と、3時間以上の長距離移動のどちらも目的地に入れるようにしました。
あとは、僕が行きたい場所・面白そうだと思った場所など、個人の趣味です。
1回目の選択肢を例に挙げると、「1;北上」「2:二本松」「3:面白山高原」「4:新潟」「5:水戸」でした。
ゴールから遠ざかるのは「二本松」「新潟」「水戸」、近づくのは「北上」「面白山高原」。
短い移動は「二本松」「面白山高原」、長い移動は「北上」「新潟」「水戸」。
「二本松」「面白山高原」は個人的に面白そうだと思ったからで、「北上」「新潟」「水戸」は交通の要所であり、これからもっと遠くへ移動するための布石の意図がありました。
6の目に関してですが、これはサイコロを振る前にクイズを出すことにしました。
ご当地にちなんだクイズを出題し、正解すれば1〜5の中から好きな選択肢を6に追加することができ、不正解の場合は1〜5の中から最悪の選択肢をディレクターが強制的に6に追加します。
これにより、実力によって運命を(多少)切り開くことができるようにしたつもりです。
このクイズに関しては、旅の前に予め作れるだけ作っていました。
クイズを作るのにかかった時間と言ったらもう、涙が止まらないくらいの時間が……。
「サイコロの旅2 クイズ」 (PDFファイル:541KB)
作ったクイズを当時の状態のまま掲載しました。
現在では正しくない情報も含まれますので、自己責任でご覧ください。
「予め選択肢は作っていたのか」という質問がありましたが、1回目の選択肢のみ事前に準備しておき、2回目以降は移動中に時刻表を見て選択肢を作っていました。
5つのルートの時刻をいちいち確認するので、まあたいへんと言えばたいへんで、根気と時刻表への慣れがないとちょっと辛いかもしれません。
「サイコロの旅2 選択肢フリップ」 (PDFファイル:68KB)
こちらが実際に旅で使用した、選択肢を書き込むためのフリップです。
これにサインペンで目的地を書き込み、クリアファイルに入れて出演者二人に渡していました。
準備していたものは、大量に印刷した(この時は20枚)選択肢のフリップとクリアファイル、サイコロ、時刻表です。
動画の収録用の機材も準備してましたが、詳細は企画書を参照ください。
こうした苦労のもとに「サイコロの旅2」を開始したわけですが、2011年3月11日はご存知のように東北地方太平洋沖地震が発生。
1回目のサイコロで出た新潟への移動中に被災し、一つの目的地に辿り着くことすらできないまま中止を余儀なくされます。
先の企画書には皮肉にも「サイコロの権限は絶対であり、その決定は生きとし生けるものに覆せるものではない」と僕は書いていました。
まさか本当に、生きとし生けるものを越えた存在によってサイコロの決定を覆されることになるとは夢にも思わず、後になってこの記述を確認した時、人智を超えた存在へのおそれを抱かずにはいられませんでした。
サイコロの旅3 〜2011夏〜
準備中です。
ダウンロード
これからサイコロの旅をやってみたいという方へ向けて、印刷して簡単に使える選択肢フリップを用意しました。
ご自由にお使いください。
4パターンをそれぞれPDF・DOCで用意してありますので、用途に合わせてご利用ください。