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青春18きっぷで青春しよう!(3) 2日目 のち出撃

北陸道中

朝は5時半起床。
普段の生活からは考えられない健康的な生活です(笑)。

とっとと身支度を整え、外に出てみると……。

雨の新潟

雨です……。 アイマスクを失った心の傷跡を反映するかのような天気で、しかも寒い……。

これからのルート

本日の行程 その1
信越本線
普通列車
新潟

長岡
6時46分

8時1分
所要時間
1時間15分
移動距離
63.3km
乗り換え 5分
信越本線
普通列車
長岡

直江津
8時6分

9時31分
所要時間
1時間25分
移動距離
73.0km
乗り換え 15分
北陸本線
普通列車
直江津

高岡
9時46分

12時11分
所要時間
2時間25分
移動距離
136.6km
乗り換え 50分
城端(じょうはな)
普通列車
高岡

城端
13時1分

13時52分
所要時間
51分
移動距離
29.9km

今日はこれから、富山県の城端(じょうはな)まで向かいます。
今日は、いよいよ青春18きっぷを使って移動するので、これからは急行・特急列車は使うことができなくなります。
乗車時間の増加と座席の質の悪さが、今後の旅にどんな影響をもたらすのか……。

車内の様子

まずは6時46分発長岡行きに乗車。
写真のように、この車両はロングシート(進行方向に対して横向き。窓と向かい合う形の座席)とボックスシート(2人ずつ向かいあう形の座席)を組み合わせたセミクロスシートとなっています。
一般的にはロングシート<ボックスシート<クロスシート(進行方向の向きに設置され、リクライニングがついた座席。多くは特急・新幹線で採用)という評価がされるので、こんな風に空いてる場合はボックスシートに座りたいという人が多いですが、僕はロングシートに座りました。
なんでかっていうと、一人で旅してるわけで、ボックスシートに座ってしまうと4人がけの席を独り占めしてしまうことになるのが嫌だったんですね。
(荷物置いて座席を占拠するつもりではないですが、普通はボックスシートに誰かが座ってたら、その向かいに座りたいとは思わないわけで……)

青春18きっぷの特性上、普通・快速列車しか乗れないのですが、基本的にこれらの列車はその地方の人の生活のために運行されるもので、僕みたいに観光目的の人向けのものではないわけですね。
そういう意味で、一人でも気兼ねなく座れるロングシートに座ったのでした。
混まない限りは、足をある程度伸ばせるというメリットもありますし、慣れてしまえばどうってことないです。

長岡駅

車両

通勤・通学時間帯ということもあり、だんだん混んできたものの、座席から立つほどでもなく、無事に長岡駅に到着。
ここで列車を直江津行きに乗り換えます。

外の景色

外が一気に山の景色に。
雪が普通に積もっていて、あたかも冬であるかのような装いとなった景色を思わず写真に収めてしまいました。
南下して地元のような寒さから逃れたいと思っていましたが、南下しても豪雪地帯の新潟とあっては、こんなもんでした。

柏崎からは再び海の景色に。
ころころ変わる風景を眺めながら直江津に到着。

直江津駅

ホームからの眺め

ここはかの有名な(?)ほくほく線の出発駅ということもあり、テンションアップ。
電車でGO!では散々苦しめ楽しまされましたからね。
普通列車HK-100系も先ほどすれ違いざまに見たので、ここは特急はくたかを! と思いましたが、残念ながら見ることができず。

食パン列車

直江津からは9時46分発の普通列車に2時間強乗り込みます。
で、僕はあまりよく知らなかったんですが、この車両、通称食パン列車と言って結構貴重なものらしかったのです。
(詳細は最後のリンク先で)
しかも、2011年3月のダイヤ改正で廃止されるということでした。
この車両を撮った写真はこれしかなく、もっと早く知っていればなあと後悔しました。

車両に乗ったときも、セミクロスシートでなんだか古いなあっていうのが第一印象で、なんと罰当たりなのだろうと(笑)。
ここではボックスシートに座ったのですが、窓際に小さなテーブルがついていて、その下にはビンの栓抜きがあり、昭和の時代を感じさせました。
残念ながらビンは持ってきてなかったので、使ってみることはできず。

途中、糸魚川のところで、昨日も体験したデッドセクションがあったり(電気的には東日本と西日本の境目ですからね)、富山駅で人が若干増えたりしつつ、予定通り列車は高岡へ。

アイマスクをさがして

高岡駅では乗り換えで1時間ほど待たなければなりません。
そこで、この時間を利用して、昨日なくしたアイマスクを探すことに。
ケータイで100円ショップがある場所を探し、高岡駅から歩くこと約5分、御旅屋(おたや)セリオというショッピングセンターに到着。
無事にアイマスクをゲットできました。
よかったよかった。

魔が差す

あっさり見つかったので時間にまだ余裕がありました。
じゃあ高岡市内を観光してやろうじゃないかと思い立ちます。
思いつきと偶然で成り立つのが旅。
ひらめきを大事にして、観光モードへ。

そもそも、なんで富山に来たんだっけ

さて、ここまで目的を明かすことなく高岡までの移動の様子をだらだら書いてきたわけですが、そろそろ城端に向かおうとしている目的を明かさなければなりません。

忘れもしない、2010年の1月。
僕はとあるアニメを見ていました。
ネットで「素晴らしい」と評判なこともあって興味があったもののそれまで見てこなかった作品を、思い立って見始めました。

素晴らしかった。

当時、別のある作品を見たことで「青春群像劇」という単語がすっかり嫌いになっていて、この作品も不安になりながら見ていたのですが、これ以上ない形で「青春群像劇」を描ききっていました。
その時の心情はまさしく「心が震えた」でした。

作品名は「true tears」。
富山県南砺市城端にあるピーエーワークスがアニメーション制作を行い、城端をはじめとする砺波地方を背景モデルとしているという、まさに富山県から発信されたアニメであり、東京以外の地方からでもアニメは作れることを証明したのでした。

そんな作品の舞台をぜひ見てみたい、というのが、今日城端に向かっている理由の筆頭なのでした。

主要な舞台は城端になるのですが、ここ高岡市にも作中で使われた場所がいくつかあります。
その一つが、高岡古城公園です。

高岡城址公園案内

二枚目の写真は、「true tears」第4話の10分40秒のシーンに使われた場所・構図とほぼ同じになっています。
実際に使われたシーンと同じ光景を発見したときの、筆舌に尽くしがたい感動。
それをこれから何度も体験することになります。

それにしても、雨が降っているので歩きまわるのがたいへんです。
折りたたみ傘を持ってきていたので、雨に濡れることはないですが、雨がより一層寒さを助長させるようで、辛いものがありました。

桜

こちらは作品とは何も関係ないですが、桜が咲いていたので思わずパシャリ。
結構な寒さにも関わらず咲いていてびっくり。
地元ならあと一ヶ月待たないと咲かないですが、やっぱり所変われば……って感じですね。

高岡城址公園をしばらく歩きまわり、高岡駅に戻ろうかというところで、作品に出たある場所がこの近くにあったことを思い出し、行ってみることに。

たこ焼き HACHI-HACHI

高岡城址公園から歩いて5分くらいで到着。
作中では「今川焼き あいちゃん」として登場した店のモデルとなった「たこ焼き HACHI-HACHI」です。

声優の高垣彩陽さん、名塚佳織さん、井口裕香さんもこの場所を訪れており、彼女たちのサインをはじめとして、「true tears」のDVDやポスターなども置かれ、すっかりファンが訪れる場所として定着しているようでした。
昼飯をまだ食べていないので、ここでたこ焼きを買って食べることに。
食べてる間も、結構途絶えることなく客が来ていたので、地元でもかなり利用されている感じ。
店内を見回すと、構造が本当にそのまんまなので、よほどちゃんと取材したんだろうなあと思いました。

認識が改まる瞬間

さて、この時点で既に13時を過ぎてます。
列車には当然間に合わないわけですが、こういう場合を見越して次の列車の時刻もチェックしてあるので問題なし。
次の列車は高岡駅を14時11分に出発で、このまま歩いて戻ってもいいんですが、せっかく自由に乗り回れる青春18きっぷを持っているので、近くの駅に向かうことに。

越中中川駅

というわけで、氷見線の越中中川駅に到着。
駅舎はご覧のとおり、四季に沿ったイラストとなっており、最初見たときはびっくりしましたとも。
高岡工芸高校の生徒によって描かれたということでしたが、駅舎が丸ごとキャンパスというのは恐れ入りました。

待合室では人数は少ないものの高校生が待っていました。
近くに高岡工芸高校があったので、それ自体は別になんてことはなかったんですが。

言葉が……関西寄りだ!?

東北は当たり前のように「東北っぽいなまり」というイメージがあり、聞けば多くの人が「あんな感じかなあ」と想像すると思います。
(以前三重県の伊勢に行った時に、「東北のなまりやな」と言われた時は、自分じゃ分からないけどやっぱり他の地方からすれば違和感あるんだなあと思ったり)
関西の方は関西の方で、大雑把に「関西弁」っていうイメージがあり、当然場所によって違いはあるものの、「なんとなくそんな感じ」と括られると思います。
僕の行った中では、兵庫県、大阪府、京都府、三重県が、大雑把に「関西弁」と括れる範囲でした。
三重県はあまり想像がつかなかったので、行った時に思いの外しっかり「関西弁」だったのでびっくりしたことを覚えています。

そこに来ての富山県。
北陸のなまりっていうイメージがあんまりなくて、ただ何となく関東寄りなのかなあと思っていたのですが、ここでも案外「関西弁」っぽいノリでした。

そんな風に見てしまうと、目に写る全てのが関西風に見えてしまう不思議。
エスカレーターはどっちだったかなあ(笑)。
経験上、あれって結構「関東」「関西」を分ける重要なポイントな気がしてるんですよね。
一回エスカレーター乗ったのにな、記憶が……。

13時48分に越中中川駅に列車が到着。
座る場所がないほど混んでいたので立ち、一駅分だけ氷見線を堪能し、高岡駅に到着。

城端へ!

城端線

予定より一本遅い列車となったものの、城端線に乗車。
ボックスシートしかなかったので、おじさんが一人座っていた席の向かいに着席。
立つほどでもないが、席はほどほどに埋まってるといった感じでした。

景色は、ひたすらに田んぼのど真ん中を突っ切ってるという感じ。
見えるものに変化があまりないんですよね。

でも、僕の胸は高鳴っていました。
あの場所についに行くことができるんだという喜び。
思えば、一瞬の思いつきからよくここまで実行できたよなと。
そんな自分が自分でも信じがたい時がありますが、でもまあよしとします。

だって、これから素晴らしい場所に行けるのだから。

本日の行程 その1・決定版
信越本線
普通列車
新潟

長岡
6時46分

8時1分
所要時間
1時間15分
移動距離
63.3km
乗り換え 5分
信越本線
普通列車
長岡

直江津
8時6分

9時31分
所要時間
1時間25分
移動距離
73.0km
乗り換え 15分
北陸本線
普通列車
直江津

高岡
9時46分

12時11分
所要時間
2時間25分
移動距離
136.6km
高岡市内散策・昼食 1時間37分
氷見線
普通列車
越中中川

高岡
13時48分

13時52分
所要時間
4分
移動距離
1.7km
乗り換え 19分
城端(じょうはな)
普通列車
高岡

城端
14時11分

15時00分
所要時間
49分
移動距離
29.9km

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2010年2月7日 公開