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2011年8月の日記帳

2011年8月30日(火) 「ビデオカメラと音声」

撮影してきた「サイコロの旅3」をチラ見してみました。
そうして見ていると、どうも相方のYUYAさんの声がイマイチ聞こえない。
ということで、ホームビデオレベルではあまり気にすることのないビデオカメラとマイクのお話。



声援とビデオ

運動会の様子を撮ろうだとか、学生の劇を撮ろうだとか、子どもの部活の様子を撮りたいだとかで、家庭でビデオカメラを使って撮ることもあると思います。
で、撮ってきたものを家に帰ってみた時、「音が思っていたものと違う」っていう経験があるのではないでしょうか。
運動会だったら、子どもたちの声援は聞こえなくて親たちの応援しか聞こえない。
劇だったら、舞台の演技よりマナーの悪いおばちゃんの話し声の方が目立つ。
部活の様子は、親の喜びの声で耳が痛くなる。
たぶん、どれか一つくらいは「あるある」と思うことでしょう。

親の声援なんて、撮影してる時に気になることはまずないと思います。
しかし家で鑑賞し、自分はこんなに大声を出していたのかと赤面、もしくは鬱陶しい親たちだ、なんて気持ちになることでしょう。
現場では気にならない声が、どうしてビデオでは気になるのか。

大きくは2つの理由があります。

カクテルパーティ効果

一つは、「カクテルパーティ効果」によるものです。
今、ゲームセンターにいるとします。
様々なゲーム機から大音量で音が発せられるため、かなり騒々しい状況です。
でも、そんな環境においても、あなたは一緒に来た友人と会話ができるはずです。
自分がプレーしてるゲームの音に集中できるはずです。

これは、聴きたい音を選別する能力が人間に備わっているからこそできることです。
この能力のことを「カクテルパーティ効果」と言います。
この能力がなかったら、太鼓の達人をやってる最中でも隣のビートマニアの音が気になってしまうでしょう。

ところが、全く同じ状況で録音した場合、ゲームセンターにいた時のような音の聞き分けが困難になることが知られています。
(なぜ聞き分けが困難になるのかについては、まだ明らかになっていません)

そのため、プロが録音する際には、雑音が入らないようにすることでカクテルパーティ効果に左右されない音作りをしています。

運動会の会場では、親は子どもの声を選別して聞こうとしており、その他の雑音はシャットアウトします。
会場にいるときに「親」というフィルターを通して聞いていたものと、フィルターなしで記録されたビデオカメラとでは、聞こえ方に差が生じることになるのです。


マイクが運命を左右する

もう一つの大きな理由は、「マイク」です。

マイクは音を拾うもの、というのは当然ですが、その拾い方は、実はマイクの種類によって大きく異なります。
拾い方の種類は、「無指向性」「単一指向性」「鋭指向性」「双指向性」の4種類に分けられます。

まず「無指向性」について。
これは、マイクに対してどの方向から来た音でも拾います。
マイクの正面から囁こうが、背後から叫ぼうがお構いなしです。
つまり、単純な音の大きさや距離にのみ左右されます。
用途としては、ラジオやテレビの街頭インタビュー、舞台での役者の声の拡声、クラシックの録音など様々なものがあります。
代表的なマイクとしては、SUHUREのSM63Lなど。
これは、テレビのインタビューでもよく出てくるマイクなので、アナウンサーが持ってるマイクに注目して見ればいずれ出てくるはずです。
あと、カセットレコーダーについてるマイクなんかもこのタイプです。

で、ホームビデオで使われるようなカメラに付いてるマイクは、ほとんど「無指向性」のマイクです。
このことが、音の録音に影響を与えているのです。

人間の耳は前向きに付いており、前から来る音がよく聞こえるようになっています。
後ろから来る音に対しては、全く聞こえないわけではありませんが、前の音に比べればあまり聞こえません。
つまり、ビデオカメラのマイクと人間の耳では、特性が違うのです。

ですから、ビデオの音に違和感を感じて当然です。
音の拾い方が全く違うのですから。
3メートル前に立ってる人の声と、1メートル後ろに立ってる人の声とでは、あなたにとっては3メートル前に立ってる人の声の方が聴きやすいかもしれません。
しかし、無指向性のマイク(が内蔵されたビデオカメラ)を持って収録している場合、1メートル後ろに立ってる人の声も同じように録音するので、むしろ1メートル後ろの人の声を大きく拾ってしまうことになります。

案外忘れてしまう落とし穴が、「撮影者自身の声」です。
ビデオカメラを持った状態で声を出せば、マイクまでゼロ距離なのでどんなささやき声だろうと容赦なく拾います。
運動会の時に、撮影しながら息子の活躍に興奮してしまうと、撮影者の声しか聞こえない動画の完成です。


「思ってたのと違う音が収録される理由」についてお話してきました。
冒頭の「YUYAさんの声が聞こえない」件についても、「カクテルパーティ効果」とカメラを持っている僕がしゃべった声を大きく拾ってしまうことが原因となるわけです。
ただでさえ、僕とYUYAさんとでは会話時の声量が違うので、その差は顕著なものとなってしまいました。

では、どうすればこのような事態を防げたかについては、残り3つのマイクの性質を紹介しつつ解説します。

単一指向性

続いての性質は「単一指向性」。
これは、マイクが向いている方向の音だけを拾うもので、普通マイクと言ってイメージするのはこのタイプだと思います。

代表的なマイクはSHUREのSM58やSM57など。
特にSM58は業界標準マイクと言われるほどポピュラーで、ライブハウスやレコーディングスタジオなんかに行けば一本は置いてあるはずです。
(あまり行ったことがないので断言はできませんが)
音楽業界で使われるのはほとんどこのタイプですし、カラオケ屋にあるマイクもこのタイプになります。

よくライブなんかで、ボーカルの人がマイクのヘッドを握りしめるように歌ってるシーンがあると思いますが、これは絶対にやってはいけません。
マイクの後部を塞いでしまうと、マイクの性質が「無指向性」に変化してしまうのです。
だから、今まで拾わなかった音も拾ってしまいますし、ハウリング(集会とかでキーンって鳴るアレです)を起こす原因にもなります。
調子に乗ってカラオケ屋でマイクのヘッドを握りしめて熱唱しようものなら、「こいつ分かってないな」と失笑を買うばかりか、不快なハウリングで場を白けさせることにもなりかねません。
大人しく下の方を握りましょう。
(かくいう自分もかつてやってしまってたので、威張れることではないですが)

「単一指向性」であれば周りの音が入りにくくなるので、周囲の雑音に左右されにくくなります。

鋭指向性

これをもっと突き詰めたのが、「鋭指向性」です。
テレビ番組のロケで、モコモコした毛虫のような物体をカメラの外で構えている人(音声さん)がいると思います。
あの物体は通称「ガンマイク」と呼ばれ、「鋭指向性」を持っています。
その性質は、マイクが向いた方向の一直線の音のみを拾うもので、「単一指向性」よりも狭い範囲になります。
周りの雑音を強力にカットし、出演者の声だけピンポイントで収録できる分、マイクの向きに失敗するとさっぱり音が入りません。
ですから、「鋭指向性」マイクを持ってる音声さんは、カメラからのフレームアウトと出演者の声を拾うのとでたいへんな思いをしているのです。

音声さんのマイクで拾えなかった時のために、たいていは出演者にピンマイクを付けています。
(胸の辺りにある黒い点のようなやつですね)
こちらは「無指向性」もあれば「単一指向性」もあります。
衣擦れの音が入りやすい欠点もありますが、常に声を拾ってくれるので、音声さんの「鋭指向性」マイクで追いきれなかった場合のサポートとして対応できます。

双指向性

最後の「双指向性」は、マイクの前と後ろの音を拾うものです。
左右の音をカットする点において「無指向性」と異なります。
使う場面はかなり限定され、ラジオで二人だけが話す場合にまれに用いられる程度のようです。

指向性の範囲

たいへん長々と書き記してきました。
これらを踏まえ、「サイコロの旅3」のロケ前に考えた対策は2つでした。

「鋭指向性」のガンマイクを使う

ガンマイクって言っても、でっかい毛虫のやつじゃなくて、ビデオカメラに取り付けられるような小さいやつです。
これを使えば、カメラでYUYAさんを追えば自然とマイクもYUYAさんの方を向くので、YUYAさんの声をよく拾うはずです。
そして、カメラを持ってる僕の声が上手く抑えられて、二人のバランスがちょうどよくなればいいなあという次第。

ただ問題なのが、ガンマイクを持っていないということ。
買えば一万円〜という感じなので、とてもそこまでする気にはなれず断念。

ピンマイクを併用してYUYAさんを狙う

ビデオカメラのマイクは諦めて付属の「無指向性」マイクを使い、YUYAさんの声はピンマイクを付けて拾うというもの。
安物ではありますがピンマイクを持っているため、できないことはありませんでした。
問題は、どうやってピンマイクの音を記録するか。

ピンマイクの線をビデオカメラにつなぐというのは、あちこち歩き回るのでとても線の長さが足りません。
プロがやるように、ピンマイクの音を無線でミキサーに飛ばしたりするようなことも、機器がないので当然無理。
唯一できる可能性があったのは、YUYAさんにICレコーダーを持たせて録音することだけでした。

ただ、その場合、編集段階で音を合成するのが相当大変になります。
結果として今回、動画を10時間くらい撮影しましたが、そのビデオカメラに記録された音と、それに匹敵する分の音声を合成していくのはかなりたいへんだと予想されます。
そこに割ける気力が湧かなかったため、結局ビデオカメラに付属のマイクの音だけとなりました。

しかし結果としては、YUYAさんの声はほぼ全て編集しなければとても見れる状態にはならないということになりました。
それなら最初からYUYAさんにピンマイク付けときゃ良かったのかな……とか思いますが、果たしてどっちか楽であったか。

みなさまからのコメント

名前:yosuke
へぇー勉強になったわ(笑)

2011年8月23日(火) 「経県値マップ」

自分がこれまで行ったことのある県、すなわち「経県」を色で塗りつぶした「経県値マップ」なるものを作れるサイトがあったので、試してみました。
こういうの一度作ってみたかったんですよね。
さて、その結果やいかに。


【大学3年夏までの経県値マップ】

2011年8月23日時点で作るとこんな感じで、経県値は78点でした。
(最高は235点。詳細はリンク先の凡例にて)

西日本がスカスカなあたりは、さすが東北人だなという感じ(笑)。
これまでの僕の日記などからすれば、さも旅行にバカスカ行って全国を制覇してるかのような印象を与えていそうですが、意外に経県値は低いという結果に。
九州・四国はかすってもいないというのが寂しい限りです。
そのうち行きたいです……。


で、今回はさらに、小さい頃からのマップも作ってみました。
小学校の頃からの経県値を辿っていけば、どんな風に経県値を積んできたかが分かって面白そうだなと。
その結果が以下です。


【小学校卒業時の経県値:35点】

【中学校卒業時の経県値:36点】

【高校卒業時の経県値:53点】

やはりというか、高校卒業以降の伸びが激しい(25点アップ)ですね(笑)。
なんだかんだ言っても、自ら経県値を重ねに行った成果は出てるのかなと。

中学から高校にかけてもそこそこ伸びてますが(17点アップ)、京都・奈良への修学旅行が全てです。
あの頃は部活や受験で忙しくて旅行なんてしてる暇がなかったですから。
(ところで、伊丹空港は兵庫県に含まれるのでしょうかね。
あの時は伊丹空港で降りてすぐ大阪方面に向かったのですが……。
伊丹空港自体は大阪府と兵庫県の両方に含まれているらしいことは分かるのですが、あの時僕は兵庫県に「接地」していたのか否か、僕は未だに分かりません。
マップでは「接地していた」とみなして入れていますが……)


大学生活も残り1年半ほど(何事もなければ)。
経県値はまだまだ伸びるのか、それともここで止まるのか。
行けるものなら西日本に行きたいですけど。

みなさんの経県値情報がどんな感じかも興味があるので、教えてもいい方はぜひ。

みなさまからのコメント

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名前:ようすけ
おおお!コメント欄ができとる!
えらい!
こっちの方が日記に対するコメントがしやすい!
西日本来るときはぜひお立ち寄り下さい(笑)
要望に応えて、暫定的にコメント欄を作ってみました。
ガンガンコメントを……寄こさなくてもいいですが、たまにはください(笑)。
西日本はぜひとも行きたい。

2011年8月16日(火) 「サイコロの旅3 終了」

サイコロの旅で行った、宗谷岬

長い長いサイコロの旅が終了して、無事に帰ってきました。
いやあ、期間が長いこともあって辛いことも多かったですが、無事ゴールすることができてホッとしてます。

3回目となったサイコロの旅も、遂にゴールを果たしたということで、シリーズに一区切りがつきました。
今後は、動画の投稿が最後までできるようにコツコツやっていければと思います。

旅から帰ってきた直後から急激に忙しくなってしまう関係もあり、なかなかみなさんにお見せできないのが残念ですが、サイコロの旅3の完結まで動画は上げるつもりですので、気長に待ってもらえればと思います。

今のところ、「サイコロの旅2」は9月中に、「サイコロの旅3」は来年夏までに上げられればなあという感じです。
……遠い目標で申し訳ない限りですが。

2011年8月9日(火) 「サイコロの旅3 開始!」

「サイコロの旅2」の動画をまだ上げきれてないのが無念……。
もうちょっとなんですが……。

そんなこと言ってもしょうがないので告知。

「サイコロの旅3」を開催します!
8月10日(水)の朝より、北海道札幌駅をスタート地点として、青森県弘前駅のゴールを目指します。
8月14日(日)の24時までにゴールすることを目標に、サイコロに身を委ねていきます。
今回こそゴールしたい……!
今回ゴールして、サイコロの旅シリーズの一区切りとしたいと思っています。
(次が絶対ないとは限りませんが……)

状況は随時、ツイッターで実況していきたいと思っています。
動画も撮影しますが、公開するのはかなり遅くなると思われますので、気長に待ってください。

では、またアテのない旅へ出かけます。
この日記に無事戻って来られるよう頑張ります。