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2011年12月の日記帳

2011年12月31日(土)

今年も終わりとなりました。
自分にとっては何だか訳が分からないまま一年が終了してしまったような、妙な感じです。

何と言っても、今年は東日本大震災がありました。
「サイコロの旅2」の企画を始めた直後の出来事で、次々に伝わってくる絶望的な状況に、もう世界は二度と戻らないのではないかという思いに胸が詰まりそうでした。
最初の一ヶ月は生活も落ち着かない感じで進み、以降は何となく元の状態に戻ったような、でもそれまでとは確実に違う状態で生きているような、モヤモヤした感じで、今もその思いは変わりません。

あの日体験したことは、ずっと忘れません。
震災の戦いはまだ決して終わっていないことを胸に刻み、明日からの来年も生きていくつもりです。



その他で振り返ると、今年読んだ本は68冊でした。
何と去年と一緒。
100冊の大台に乗せるのは厳しいですね(笑)。
今年は小説以外の本に手を出しまくった意味で例年と違う読み方をした年になりました。

アニメも今年は結構見た気でいましたが、数えると10本で去年より減。
2クール作品ばかり見てたからたくさん見た気になっていたようです。
今年はオリジナル作品が多くて、見ていて楽しかったです。
『魔法少女まどか☆マギカ』『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』はかなり挑戦的な作品で、とても面白かったです。



では、また来年。

2011年12月30日(金) 「奥深い一人称」

こちらでは随分ご無沙汰してしまいました。
忘れてたわけではないんですが、Twitterの気軽さに取り憑かれ、ついあっちにばかり書いてしまってました。
実は2009年にサイト開いて以来、毎月一回は日記更新してたんですが、10月の日記が更新されなかったことで、遂に記録は途切れることに。
まあ、それは些細なことで。
こっちはこっちでマイペースに長めの文章を書いていきますんで。

で、今日は、10月に書くつもりが途中で力尽きてしまった文章を載せます。
誰もが悩む? 一人称についてです。



一人称の自分史

僕は普段から「僕」って言うんですよ。
文章だから「僕」を使ってるわけじゃなく。

僕の記憶の限りだと、物心ついた時には僕は既に「ぼく」でした。
で、幼稚園、小学校と進んでいくと、最初は周りの男の子も「ぼく」を使ってる方が多かったのが、いつの頃からか「おれ」に変わっていくんですよね、不思議なことに。
なんか「ぼく」だといい子ぶってる感じがするんでしょうか。
誰かが使い始めた「おれ」があれよあれよと広まっていき、気がつくと小学校高学年の頃には「おれ」を使う男の子がクラスの大半を占める状況になってました。

しかし、僕は「ぼく」のまま変わりませんでした。
僕の中では「おれ」にあえて変える理由がなかったからというもんで、むしろ、「ぼく」から「おれ」に変わった人はなんで変わっていったのか、教えて欲しいくらいだったり(笑)。
あれなんですかね、「おれ」だと格好つかないみたいな、そんな感じなんでしょうか。

そんな感じで、僕は「おれ」に変わることなく、のほほんと小学校を卒業。
中学校に入っても自称が変わることはなく、せいぜい文章を書く時に使う文字と思考時の感覚が、「ぼく」から「僕」に変わったくらいでした。
(二度と読み返したくない日記によると(笑)、少なくとも中一の時には「僕」になってました。
小学校の時は「ぼく」だった気がします)

実際のところ、小学校の時も中学校の時も、「周りの人は『俺』って言うけど、僕は『僕』のままだよなあ」って意識はあったわけですよ。
「変えた方がいいのかなあ」っていうのも、少しは思ったりしてました。
それは、学校文化としてある「少数派は虐げられる」っていうものよりも(僕がよく話す友達は割と「俺」以外の一人称が多かったんで、その点は感じなかった)、「『僕』じゃあんまり迫力ないよなあ」ってものでした(笑)。
「地球の平和は僕が守る!」よりも「地球の平和は俺が守る!」の方が強そうだよなみたいな(笑)。
ただ、元々僕自身がひょろひょろな人間だったんで、見せかけの強さを気にしたってしょうがないということで、やっぱり「俺」に変わることはありませんでした。

しかーし! そんな「僕」の歴史に終止符が打たれる危機が迫った時期がありました。

高校時代です。

高校でも、もちろん男性陣のほとんどが「俺」でした。
で、まあ、高校時代はいろいろ考えるわけですね、将来のこととか。
大学生になって、社会人になって、という未来のことを考えているうちに思ったのです。

僕の未来、「僕」でいいのか?

社会人の人を見ると、公の場では「私」を使ってます。
で、プライベートだと、やっぱり「俺」を使ってるイメージしか浮かばないんですね。
(身近な大人はみんなそんな感じだった)
「僕」なんて言うのは、偉そうなおっさんくらいしか思いつかんと。

フレッシャーズスーツに身を包んで、バリバリ仕事をこなす大人(未定)になる身としては、そういうところから意識しなければならないのではないかと、割と本気で考えたんですね。
ということで、確か高三になるかならないかあたりで、試してみたんですね。
とりあえず「俺」って言ってみよう、とりあえず「私」って言ってみよう。
……しかし、イマイチしっくりこない。
どーも「俺」とか「私」とか言うと、自分じゃない人がしゃべってる感覚になるんですね。

「今日俺さー」

……誰だよお前。

「って私は思うわけよ」

……女?

「僕」も混ぜつつ、「俺」と「私」をしばらく使ってみたんですが、結局定着せず。
無理してもしょうがないなということで、諦めて「僕」に戻しました。

こうして「僕」消滅の危機は脱したかに見えました。

……しかし、僕も予想だにしなかったことに、真の「僕」の危機はすぐそこに忍び寄っていたのです。

高三の夏になり、部活も引退。
いちおー大学を目指すという建前だった自分は、いちおー受験勉強をすることになります。
しかし、成績はイマイチ、模試判定はD判定。
そのうち何とかなるだろう、死にはしないと構えてました。
でも、何もしないで何とかなるはずもなく、秋の足音が聞こえても成績は変化なし。
このままでは戦う前に敗北必至という状況に追い込まれました。

幸か不幸か、ちょうどその時期は僕の家が引っ越しとなりまして、それまでとはガラっと違う状況になりました。
ならば、このタイミングで変わるしかないだろと、いろいろと気合を入れたわけです。
もうそれまでとは比べものにならないくらいの気力で勉強したんですよ。
たぶん、勉強の密度でいったら今までの人生の中で最高でした。
その時期は気力が満ち満ちていて、体調も良好、人間関係も、ついでに勉強も良好ってな具合で何もかも輝いてました。

で、その頃なんですね。
不思議なことに、やる気に満ちあふれてからというもの、徐々に僕の中の意識が「俺」に変わっていったんです。
会話でもたまに「俺」って言ってた気がしますし、受験終盤の頃なんかは脳内で「俺はまだやれる!」とか言っても、不思議と違和感がなかったです。
今こうして振り返るとホントに不思議だと思うんですが、当時の俺は全然違和感なく「俺」だったのでした。

じゃあ、なんで今大学三年の俺は「僕」なのか?

高三の冬に結局受験に失敗した俺は、魔法が切れたように気力を失い、沈んでいきました。
「俺、何やってんだろ……。何もかも手に入れられると思ってたけど、結局何もかも手に入れることなくここにいる俺は……」
虚ろな意識の中で予備校を探し、浪人生活を開始することになった俺は、予備校に通う中で少しずつ気力を回復していくのですが、浪人生活を送る中で、いつの間には俺は「僕」に戻ってました。

なんで? と聞かれても正直答えようが無いのですが、「僕」から「俺」に変わったことも、「俺」から「僕」に変わったことも、どちらも無意識に任せた結果だったので、そういうことだったのかなと思います。
詳細はまた長くなるので省きますが、この頃から割と自分を肯定して生きられるようになったので、再びの「僕」という一人称を恥じることなく使い続け、現在に至ります。

ここまで長々と書いてきましたが、結論としては、「『僕』と言っている今の自分はまだ本気を出してない」ということですね。
僕の一人称が突如「俺」に豹変したら、「こいつ……まさか……!」と思ってください。
……って、こんなこと言いたかったんじゃないし!(笑)
というか、一応常に本気で生きてるつもりだし!

ちなみに今は、「僕をベースにして、その時の気分に応じて『俺』とか『私』も使う」っていう、高三の時にやってたことを自然にやってます。
そもそも、一人が使う一人称が一つでなければならない決まりはないわけで。
ツッコミを入れたい時は、関西人でない人でもテンション上げて関西弁風に「なんでや!」ってやりたくなる時もあるでしょう。
そんな感じで、流れに応じて変えたっていいじゃないかと、思ってます。

まあ、当分僕は「僕」であり続けるでしょう。
また「俺」の時代が来るのか、「私」や「儂」や「おいら」とかに変貌することがあるのか。
分かりませんが、その時はたぶん僕の中で何かが少し変わった時なんでしょう。
その時も、本質は特に変わらないと思うので、変わらずお付き合いしてあげてくださいな。

みなさんの「一人称の歴史」はどんなものでしょうか?



一人称の割合

みんなはどんな一人称を使ってるんだろうって、気になった時期があります。
上記で挙げた時期・理由の他にも、中学校の頃に小説を書こうと思い立った時期に、みんなの一人称を意識したりもしました。
つまり、現代を舞台にして小説を書くにあたって、登場人物が使う一人称は、どの呼称がどれくらいの割合であれば自然なのか、と考えたわけです。

マンガとかだと、「ボク」って言う人物は割と多い気がするけど、実際はそんなに多いのか。
女の子が「自分の名前」を一人称に使ってるキャラもいるし、ギャグマンガでは「オイラ」「オラ」なんかもあるけど、実際は? とか。
感覚的にはこんな感じかなあと。

【男】
95%→「俺」 4%→「僕」 1%→「その他」
【女】
90%→「私」
10%→「その他」

男の「その他」は、「おいら」とか「おら」とか、「私」も聞いたことがありますね。
女の「その他」は、「あたし」だったり「自分の名前」や「あだ名」とか。

だいたいこんなもんかなあと思うのですが、どうでしょう。
ご意見あればぜひ(笑)。