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東北地方サイコロの旅 〜2010春〜(3) 第二回選択 こっち……行くの?

逆戻り

こうして、2番の青森県黒石市が選択されてしまったわけです。
ここで考えられるルートは二つあって、一つは、国道7号線を逆戻りし、先ほどまでいた大館市を経由して黒石市まで向かう方法。
もう一つは、日本海沿岸を北上していき、青森県の深浦町側から黒石市に向かう方法。

……ただまあ、普通に考えて、後者のルートはまずあり得ないんですよね。
時間がかかりますし。
というわけで、必然的に来た道を逆戻りして行くことに。

……この一時間はなんだったんだー!

なんて、友人と言い合いながら、黒石市を目指すことに。

さて、ここで、運転を僕から友人に交代することにしました。
僕の父の車を借りてきたので、極力僕が運転するようにしたんですが、なにせ、何時間車を動かし続けることになるか分からなかったので、簡単なルートである今回は友人に運転を任せ、僕の体力・気力を温存しておくことに。
で、早速運転を任せたんですが、ここでもう一つ問題が。

この車、マニュアル車(MT)なんですよね。

ギアが自動的に変速されるオートマチック車(AT)に対して、MTはギアを手動で変えます。
かつては世界中の全ての車がMTだったんですが、ATが洗練されていくにつれて徐々に姿を消していき、日本では1991年にAT限定免許が導入されて以降、急速にATや無段変速車(CVT)が増えたことで、今やMTはあえて探さない限り乗る機会がなくなっています。
はっきり言えば、ATは簡単です。
基本的に、アクセルとブレーキ踏めばいいだけですから。
一方、走るためにいちいちギアを変えなければならないMTは面倒で、なおかつちょっとしたコツを(体が)覚えてないといけないんです。

僕は、(この時点では)教習所でATを3時間運転した以外の何百時間は全てMTで運転してきたので、むしろMTじゃなきゃ嫌だってくらいです。
しかし、そんな人間は、僕の同年代では絶滅危惧種。
一般人である友人は、教習所でこそMTに乗っていたものの、教習所を卒業してからはずっとATしか乗っていませんでした。

……すなわち。

「ぅうおおお!!!」

発車の瞬間に、激しい衝撃を僕に食らわせてしまうわけです。
その後も、1速で引っ張りまくってものすごいエンジン音になったり、60キロで走行中にブレーキを踏み始めた瞬間からクラッチも同時に踏みっぱなしで停止させたり(これは、僕が教習所に通っていた頃、他の人に聞いてみたら全員やってました。正しくは、クラッチ踏むのは低速になってからです)、MTのブランクを感じさせる走りをしていましたが、ちょっと走ったらすぐに間隔を取り戻したので一安心。
外の景色を眺める余裕も出てきました。

鷹巣の風景

……うん、さっきと同じ景色だ(笑)。

大館に高速道路はない

10時半前に出発してから約45分。
再び大館市に突入するものの、ここは華麗にスルーするということで、大館南バイパスに入っていきます。

大館南バイパスというのは、その名の通り、大館の南側を通るバイパスで、大館の北側に抜けていく大館西道路に接続しているのですが、ここは普通のバイパスとはワケが違います。
なぜなら、このバイパスは、将来高速道路になるのです!

……と言われて、はや何年が過ぎたのか分かりませんが、とにかくそういうことになっています。
僕が生きているうちには完成するはずです……よね?

とにかく、未来の高速道路を走り抜けて、あっという間に大館市の中心部は通過。
国道7号線を駆け抜けて行った僕らは、特に障害もなく青森県に突入します。

そして正午も過ぎた頃……ついに青森県黒石市にたどり着いたのです。

黒石ってB級グルメ王国

時間もちょうどいい頃合いなので、ここで昼食にしようということになりました。
それで、僕は以前から、黒石でどうしても気になっていた食べ物がありました。

それは……黒石つゆやきそば。

B級グルメとして取り上げられることもしばしばなので、ご存じの方もいるでしょうか。
太くて平らな麺が特徴の黒石焼きそばに、あたかも普通のそばのようにしてソース味のつゆをかけて食べるというものです。

話題としては耳にするんですが、実際に食べる機会はこれまでありませんでした。
せっかく黒石に来たんです、食べようじゃないですか。
ということで、友人を説得し、黒石つゆやきそばを昼食にすることに。

……でも、その前にやることがありますよね。

サイコロ。

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2010年5月1日 公開