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東北地方サイコロの旅 〜2010春〜(5) 旅はまだ終わらない

撤退戦

その時の友人の表情は、……うん、間違いない。
ホッとした表情でした(笑)。

まあねえ、これ以上進んでたら相当たいへんなことになっていたと思われるのでねえ、賢明な判断をしたとは思っています。
でも、……やっぱり悔しいなあ。
可能なら最後まで行きたかったです。

ファミレスで夕食を食べた後、ひたすら帰る旅に。

十文字インターから秋田自動車道へ。

……暗っ!

秋田自動車道を走り出してすぐ気づいたんですが、車道にライトが一つもありません。
市街地や民家の明かりがここまで届くわけでもないので、自分以外の車がいなくなると、本当に真っ暗なんです。
自車のライト以外、光が何もない。
それこそ、世界に自分たちだけ取り残されたような感じ。

それと、ほとんどの区間が片側一車線です。
一部だけ、追い越し区間として二車線になるだけです。
これで本当に金を払う高速道路と言っていいんだろうか。

ともかく、暗闇の中を走っていたんですが、もう一つ問題が。
……眠い。
朝7時くらいに起きて、長いこと車を運転してきたので、眠気がどうしても離れません。

「死にたくなければ話しかけ続けろ」
と友人に命じ、ひたすら会話を続ける僕ら。

しかし、秋田北インターを過ぎた辺りでまぶたが不意に重くなり、半目状態の視界の先に見えたのは、真っ白のガードレールと、真っ白な世界の中に流れている川……………………!!

眠気が一瞬で吹っ飛び、素早く進路を元に戻しました!

……危なかった。
あともう少し現世復帰が遅れていたら、この文章を書けなくなるところでした。
マジで危ない……。

ちなみに、後に友人にこの時のことを話すと、「そんなことがあったなんて知らなかった」と返されました。
眠りに落ちたのはほんの一瞬の出来事だったようですが……うーん、恐ろしい。

おしまい

無事に秋田自動車道の有料区間の終点・琴丘森岳本線料金所に到着。
その後も、将来的には高速道路になる予定の道路を無料で走れるので、二ツ井白神インターまで走行。
後は午前中も通った、能代から大館への道を走り、ゴールの大館市に着きました。

到着時刻は21時過ぎ。
結果的には湯沢市から三時間弱で着いたわけです。

仮定の話ですが。

黒石から湯沢までかかった時間は約五時間。
湯沢から大館までかかった時間は約三時間で、大館から黒石までは約一時間かかりました。

(時間帯も全然違うので単純比較はできませんが)もしかしたら、秋田側を回っていれば、せめて山形県に到達するくらいはできたのではないか……と考えられなくもありません。

こうして、企画開催期間約13時間、走行距離約600km、高速代5700円、ガソリン代4300円のサイコロの旅は、幕を閉じたのでした。

今回の旅のルート

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2010年5月1日 公開