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甲子園と鉄道の旅(3) 1日目 大阪日本橋

待ち時間

甲子園から去り、阪神電鉄に乗って大阪へ。
この日の夜に、大阪から夜行バスで東京に向かうのですが、出発は21時。
現在16時半なので4時間ほど余裕があります。

その間何をしようか迷ったのですが、思い切ってある場所に向かうことに。

阪神電鉄の終点梅田駅(JR大阪駅とほぼ同じ場所)に到着し、地下を移動して大阪市営地下鉄御堂筋(みどうすじ)線に乗り換え。
(JRがあって、私鉄があって、地下鉄があってで、目的の路線を見つけるのにすごい苦労する……。大阪の方々、お疲れ様です)
梅田駅から四駅離れた難波駅へ。

乗ったのは17時くらいなので、帰宅ラッシュ寸前くらいだったのではないかと思いますが、やはり乗ってる人は多いですね。
……僕みたいな田舎者にとっちゃ、座れない人がいる=即混雑ってイメージになってしまいますが。

10分くらい乗って、難波駅に到着。

西の聖地

いわゆる「オタクの聖地」と言って、一般的に言われるのは東京の秋葉原。
しかし、関西において、「オタクの聖地」と言えば、ここ日本橋(にっぽんばし)なのです。

かつて、電気街として日本有数の品揃えを誇り、「東の秋葉原、西の日本橋」と呼ばれ、安い家電を求める人や専門的な部品を求める人に重宝されていました。
しかし、安さがウリの家電量販店が全国に広がったことによって、電気街の優位性が失われ、代わってパソコンのパーツを専門とする「電子街」、ゲームやアニメのグッズを販売する「電脳街」としての側面が強くなっていきます。
これは知り合いからの情報になりますが、イベントやメイド喫茶など「サービス」で売り出している秋葉原に対して、物量で圧倒的優位を誇っているのが日本橋なのだとか。

うんちくよりも見て回った方が良く分かると思うので、さっそく店を回ろうと思ったのですが……。

場所が、分からない。

なんさん通りとかってところに行けばいいみたいなのですが、イマイチ場所がつかめず。
とりあえずそれっぽい方向へ歩いていくことに。
うちの近くにはない無印良品という店の響きに心が踊り、もういっそ無印良品巡りで終わろうかとも思いましたが、まだ明るい時間帯だったのでもう少し頑張ってみることに。

よく分からないまま歩き続けるという無謀なことを続けること数十分。
「アニメイト」という、その筋(笑)の人には有名な店名を発見。
ようやく迷子状態から解放され、店を見て回ることに。

やはり日本最高峰の名は伊達ではなく、自分が興味あるものからないものまで(濃すぎてむしろ興味ないものの方が多い(笑))かなり品揃えがあり、終始興味津々で見ていました。
ただ、古めのものが欲しいというのでなければ、店に足を運ぶことが必ずしも得策ではないのかなというのが正直なところ。
パソコン関連の商品も見て回って、特にそちらで顕著だったんですが、ネットが発達したこのご時世、ネットで探した方が値段も安いものを見極められて、なおかつ確実に手に入るんですよね。
パソコンのパーツでいくつか欲しい物をピックアップしておいたんですが、どれもこれも店頭よりネットで買った方が安いものばかりでした。
実物を見て回れた楽しさで胸がいっぱいでしたが、単純に買うだけならネットで十分という、ちょっと寂しいことも学んでしまいました。

ついでにいうと、どこも案外店が閉まるのが早いので、うかうかしてるとあっという間に店から追い出されることになるのもちょっと寂しい。

戦い

20時過ぎに梅田駅(大阪駅)に戻ってきた僕は、夕食を食べることに。
大阪駅の中をぶらぶらしてラーメン屋で塩ラーメンを食べたのですが、これが思いのほかおいしくない。
なんていうか……やたらエグ味があって非常に食べづらい……。
とはいえ、金を節約するため、これ以外に今日はもう口にできないので、気合で完食。
何だか気分が晴れないまま夕食終了。

そして21時。
戦いの時は来ました。

……そう、夜行バスです。

これまで、夜間の移動手段は寝台特急しか使ったことがなく、金のない大学生の強い味方である夜行バスに乗るのは初めてなのです。
夜行バスと聞いて思い浮かぶのは水曜どうでしょう。
彼らは、夜行バスに乗り込むたびに苦しそうにしています。
しかも、何度経験してもその苦しさが変わっていないようでした。

それほど辛い夜行バスとはいかほどのものなのか。
今回僕は、身を持って体験することにしたのです。

僕が乗り込んだのは、フライングスニーカー大阪号。
四列シート(一般的な50人乗りの観光バスと同じですね)に毛布がつくのみという、夜行バスの中ではかなり低めのサービス。
三列シートでリクライニングは深め、飲み物自由といったハイグレードな夜行バスとは雲泥の差があり、水曜どうでしょう班と同じ道をたどるのではないかと不安を隠しきれません。

しかし、まさかの隣の席に人がいないという状況に。
この日はかなり混んでて、確か同系列のフライングスニーカー京都号は満席になってて、大阪号もやっとのところで滑りこんだはずなのに、何たる奇跡。
まあ、だからと言って楽に乗れるかというと、必ずしもそうではなく……。

出発して少しすると明かりが消えたため、寝ようとするものの、案外寝られない。
水曜どうでしょうでいうところの湿気は特に感じないものの、カーテンが外の光を思いのほか遮ってくれないので、対向車線の車のライトとかで結構明るくなってしまう。
そして、割と涼しい(……だったはず。一年前だともはや記憶が……)。
毛布をいっぱいに被ってないと結構辛い。
あと、どういう体勢で寝たらいいのかがイマイチ分からない。
隣の座席が空いてたので、その座席横になるように寝ればいいと安易に考えていたのですが、座席の幅がないので体が入りきらないという。
そんな体勢になったら、上半身は座席で下半身は床につけるようにするしかないですし……。

結局のところ、隣に人がいなくても窓に顔をつけるようにして寝るという原始的な方法より他はないとの結論に至り、実行するも、首が極端に傾くのでどうにも痛くてしょうがない。
これといった成果が得られないまま休憩所に到着。
エコノミークラス症候群防止のため降りたものの、特にすることもなくすぐにバスへ逆戻り。

寝ようと努力を続けるものの、最適なポジションを見つけられず、一時間おきくらいに目覚める悪循環を繰り返し、気づくと朝日がまぶしい東京の街に到着。
着いたのは朝の5時半くらいで、予定より30分ほど早い到着でした。

……そして、あまり寝た気がしない……。
頭がボーっとする……。

これが……夜行バスの恐ろしさか……。

これからの夜行バス人生に不安を覚えるスタートとなったのでした……。

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2010年9月24日 公開