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ソード・ワールド2.0リプレイ はじまりの影(3) リプレイ2 「僕は気づかない」

バルトゥーの屋敷へ

せいぜい3、4時間程度と考えていたセッションは、この時点で既に3時間近くが経過。
ロゼに一言声をかければすぐに脱出できたので、せいぜい1時間程度で来れたと思うが、思いがけないミステリー展開により時間がかかってしまった。
もはやファンタジーRPGじゃなくて別のゲームをしてるようだったが、面白かったのでそれはよし。
ただ、リアルの時間が結構厳しくなったので、サクサク進行で進めていく。
なお、あらかじめ断っておくと、バルトゥーの屋敷内のシーンはルールブックのサンプルシナリオほぼそのままであるため、ここに地図を載せることはせず描写も簡略化する。
また、GMの自分が戦闘における解釈を誤っていたために、戦闘はプレイヤーが想定外の苦戦を強いられているため、戦闘シーンの詳細は記さない。

GM:夜明けを待ってバルトゥーの屋敷に向かった一行は、2時間ほどで崖にめり込むように建てられた屋敷に辿り着きます。外から見た感じ2階建てのようだ。ここがマイケルの言っていた屋敷だと思われるね。
スイッチ:じゃあ屋敷に入るよ。
GM:屋敷に近づくと、なぜか入り口の扉が開きっぱなしになってることに気づく。
ボッスン:先客がいるのか?
GM:そしてスイッチにはここで、サイコロを振って判定をしてもらう。
スイッチ:何の判定?
GM:それはここでは教えない。
スイッチ:そうか。じゃあ振るよ。コロコロ……。
GM:……この値だと失敗だね。スイッチは特に何も気づきませんでした。
スイッチ:なんだったんだろ。
GM:では屋敷の中に移ります。屋敷に入ると石像が立っています。
タスト(GM):「あっ、あれは!」
ボッスン:お?
GM:タストは気づくんだけど、石像の土台には文字が刻まれていて、ボッスンとスイッチがタストに解読を依頼した「バルトゥーの屋敷」の文字と同じであると分かる。
ボッスン:じゃあやっぱりここなんだな。
GM:ここでスイッチにはサイコロを振ってもらう。
スイッチ:また? コロコロ……。
GM:これも失敗です。
スイッチ:また?
GM:スイッチは何か違和感を感じてるんだけど、どうも正体が掴めない(笑)。
ボッスン:しょうがない。奥にどんどん進んでいこう。
GM:奥に行くと、石像が1体と、2階と地下へ続く階段が見つかる。さあスイッチ。サイコロを振ってもらおうか(笑)。
スイッチ:えー。なんか嫌だなあ。コロコロ……。
GM:……失敗です。
ボッスン:スイッチーーー!!(笑)
スイッチ:そんなあ……。
GM:スイッチは何かに気付きそうなんだけど、頭で考えれば考えるほど、雲のように霞んで消えてしまう(笑)。スイッチはモヤモヤでいっぱいだろう。
ボッスン:それよりやることやろう。石像には何かあるのか?
GM:石像を見つめたボッスンは、石像の目が宝石でできていることが分かる。
ボッスン:無視。
GM:(笑)。
ボッスン:俺は宝石なんかに興味ないからな。どうせ地下はボスだろうし、2階に行こう。
GM:2階に上がると2つ扉がある。ではここで〈聞き耳判定〉をします。
スイッチ:コロコロ……成功。
GM:片方の部屋から、2人には理解できない言語の会話が聞こえてきます。タストにも理解できない言語らしい。
ボッスン:無視。もう片方の部屋に行く。
GM:こちらは中から声が聞こえたりすることもなく普通に入れます。中には机や本棚がある。
ボッスン:机を調べると何がある?
GM:じゃあ〈探索判定〉を。
ボッスン:コロコロ……成功。
GM:バルトゥーの日記が見つかります。タストによれば、バルトゥーは煙管コレクターであったというような内容であるらしい。
スイッチ:本棚は?
GM:こちらも〈探索判定〉で。
スイッチ:コロコロ……成功。
GM:本棚にある本の多くは傷んでるんだけど、3冊だけ読めそうな本があり、どうやら高く売れそうだと分かる。さらに、スイッチは気づく…………この本棚、動くぞ? と。
ボッスン:おおー。じゃあ動かしてみる。
GM:動かしていくと、本棚の裏に秘密の部屋が見つかる。
ボッスン:きたあ。中に入るぞ。
GM:中に入ると2つのものがあると気づきます。1つは煙管で、タストによれば非常に珍しいもので高く売れるだろうということです。もう1つは小さな小箱ですね。
ボッスン:見た目はどんな感じ?
GM:見た目は白の無地でこれといった特徴はないです。
ボッスン:開きそう?
GM:鍵かかってないし、普通に開けようと思えば開けられそうだね。
ボッスン:よし! 開けよう!
GM:誰が開けるの?
ボッスン:スイッチ! 頼んだ!(笑)
スイッチ:俺かあ〜。
GM:じゃあ開けようとしたスイッチ。サイコロの判定をお願いします。成功すれば何か気づきます。
スイッチ:サイコロかあ……。コロコロ……。
GM:…………えーと、失敗です。
スイッチ:うーん……。
GM:気づかないまま開けたスイッチ。すると……痛みを感じます。ボッスンは見てしまったのです。小箱に触れていたスイッチの指に、毒針が刺さっているのを!
ボッスン:罠だったかあ……!
GM:スイッチにダメージが入ります。HPが6減少です。
スイッチ:残りHPが16か……。
GM:この部屋には他に目につくものはないね。
ボッスン:じゃあさっき声が聞こえた部屋に戻ろう。
GM:さっき声のした部屋からは、相変わらず理解できない言語による会話が繰り広げられています。
ボッスン:じゃあ入る。
GM:中に入るとモンスターが楽しげに遊んでいましたが、ボッスンたちに気づくと4人に襲いかかってきます。戦闘です。
スイッチ:初めての戦闘だあ。
ボッスン:こっちは雑魚敵だから楽勝っしょ。

その言葉通り、本来ならそこまで苦戦することのない敵のはずなのだが、GMが戦闘ルールの運用を間違えたために、プレイヤー側の攻撃ダメージが低くなってしまい、苦戦を強いられる。
結果、後衛で傍観させていた「一般人」タストを前衛に出さざるをえない状況に。
スイッチのHPが2まで減り、もはやこれまでかと思われたが、ギリギリのところで相手にダメージを与え、辛くも勝利する。

ボッスン:や、やべえ……。地下にいるのがボスだったら死んじまうぞ、こりゃ。
GM:うーん、「ソード・ワールド2.0」ってこんなに戦闘で苦戦するものなのか……?(この時点では間違いに気づいておらず、首を傾げる)
ボッスン:ともかく、HPを回復させないとまずい。タストの家からもらった薬草で回復させよう。
GM:薬草は効果を発揮するまで10分かかるからね。
ボッスン:10分じゃ足りねえ。20分。いや、30分かけて3回分ダメージを回復させるぞ。
GM:まあサイコロで出た値の結果、全快とはいかずともかなりの量を回復したね。
ボッスン:これで何とかなるだろ。いざとなったら、タストを壁にして生き延びる。
GM:それはそれは……(笑)。

地下室の邂逅

一行はいよいよ地下に向かう。
ボッスンの読み通り、地下にはボスがいるわけだが……。

GM:階段を降りると、目の前には扉があります。
ボッスン:じゃあ扉を開けに行く。
GM:……すると4人は、体がふわっと軽くなったような感覚を覚える。落とし穴です。
ボッスン:やっちまったあ!
GM:落とし穴に落ちたことにより、4人はダメージを受けます。
ボッスン:結構食らってしまった……。これは厳しいな……。
GM:ともかく、4人は穴から脱出し、扉を開けると。すると、中には魔法陣が描かれた床があり、奥には木彫りの像と石像があります。
ボッスン:石像ってことは、ガーゴイルか……? 警戒しながら近づいて行くぞ。
GM:(鋭いなあ)では、慎重に前進していくと、突如として木像と石像は動き出し、ボッスンたちに襲いかかってきます。ガーゴイル&オークとの戦闘に入ります。

当初の予想通り、かなりの苦戦を強いられてしまう。
最終的には魔法使いのレイナと一般人のタストすら前衛に出し、とにかく全員でタコ殴りである。
HPが1になるなど危ない状況になりながらも、どうにか危機を脱し、死者を出すことなく戦闘を終える。

GM:スイッチやボッスンの猛攻により、ガーゴイルとオークは動きを止めました。あなたたちの勝利です。
ボッスン:ボロッボロだけどな(笑)。
GM:戦闘を終えたボッスンたちは、奥に扉があることに気づきます。
ボッスン:入る。
GM:中に入ると、様々な研究道具が並んでいることに気づきます。さらに、机の上には本があることにも気づきます。
スイッチ:じゃあ手にとってみる。
GM:タストによれば、バルトゥー自らが記した本で、魔動機文明時代の貴重な資料になりうるゆえに、相当の価値があるということだね。
スイッチ:じゃあ持って帰ろうか。
GM:部屋の中はこんなものかな。
ボッスン:よし! とっとと出るぞ!

満身創痍になりながらも、バルトゥーの屋敷の探索を終えた一行。
マイケルに会うべく一路、ルキスラ帝国の首都を目指す。
その日のうちにはたどり着けないため、途中の道で夜を明かすことになる。
疲れきっていたこともあり、全員がぐっすりと眠る。

GM:……寝てる途中だけども、2人は〈聞き耳判定〉をしてください。
スイッチ:え、なんだろ。コロコロ……。
GM:成功ね。では2人は意識が覚醒して、ある声が聞こえてくることに気づく。「ボッスンどこだー!」「スイッチー、帰ってこ〜い!」村の人が4人を探している声のようだ。ロゼの声もある。
ボッスン:寝る。
スイッチ:おやすみー。
GM:(この人たちはもう……(笑))では、それから特に何事もなく朝を迎えることになる。4人の目には鮮やかな朝日が映る。それは、4人の新たな旅立ちへの祝福のようでもあり、また、どこか故郷への郷愁を感じさせるものだった。
ボッスン:首都行くか。
GM:(ちょっとは余韻を(笑))
スイッチ:宝〜、金〜。
GM:……それからしばらく歩き続けると、巨大な都市が出現する。それはルキスラ帝国の首都・ルキスラ。このザルツ地方最大の都市で、巨大な権力を握っている。
ボッスン:「漆黒の影」に向かうぞ。
GM:首都の護衛に聞くと、「漆黒の影」は裏通りを入ったところにあると教えてくれるんだけど……あまりいい顔はしていない。何でも、「漆黒の影」にはあまり良くない噂を聞くことがあり、また、裏通りに位置していることもあって、普通の人はあまり近寄りたがらないようだ。
ボッスン:何だろ? ……まあ、教えてもらったから普通に「漆黒の影」に行く。
GM:では、「漆黒の影」の店を見つけた一行が中に入ると、マイケルと遭遇する。
マイケル(GM):「おお! よくここまで来たな! 成果はどうだ?」
ボッスン:「なかなかだぜ」と手に入れてきた宝を渡します。
GM:では、受け取ったマイケルは奥へと引っ込んで鑑定に入りますね。えーと、いくらになるんだっけ……(こっちも計算してる)。
ボッスン:どんなもんだろうな。
GM:……えー、マイケルが戻ってきます。「合計して4950ガメルで買いとるがどうだ?」
スイッチ:「……50おまけしない?」
ボッスン:「そうだな(笑)。キリ良く5000ガメルにしようぜ」
マイケル(GM):「あそこから来たわけだしな。いいだろう。5000ガメルにしといてやろう」
ボッスン:結構な金になったな。よし、これでゲーム終了か。俺たちの戦いはまだこれからだ、みたいな(笑)。
マイケル(GM):「ところでお前さんたち、これからどうするつもりだ?」
ボッスン:うーん。とりあえず村を出たいから首都に来ただけだしなあ。
マイケル(GM):「もし良ければ、ここ『漆黒の影』の冒険の店を拠点に活動しないか? 住む場所を手配してもいいぞ」
ボッスン:住む場所はどうするかな……。維持費はどれくらいになるの、それ。
マイケル(GM):「一ヶ月500ガメルくらいかな」
ボッスン:じゃあいいか、それで。「マイケル、これからもよろしく」
マイケル(GM):「ああ、これから頼むぞ」……ということで、故郷のビギン村を捨て遺跡を探索してきた、ボッスン・スイッチ・タスト・レイナの4人。今後は新天地・ルキスラ帝国の首都で活動していくことになるでしょう。今後どのような活躍を見せてくれるのか。それはまた別のお話――。……ということで、今回のセッションは終了! お疲れ様でした!
全員:お疲れ様でしたー!

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2012年12月31日 公開