空色図書館へようこそ!

書庫

ソード・ワールド2.0リプレイ 洞窟の音色(2) リプレイ 〜洞窟の音色〜

物語のはじまり

ゲームマスター(以下GM):今回は前回とは違うメンバーに来てもらったよ。前回はプレイヤー2人しかいなくて戦闘がたいへんだったけど、今回は大丈夫でしょう。
ジェニー:……俺1人しかいないみたいだが?
GM:まあな……。興味はあるって人はいたが結局無理で、そうこうしてるうちに日が迫ってきたから準備に追われてな。今回のプレイヤーはお前しかいない。
ジェニー:別に1人でもいいとは言ったが、本当に1人とはな。
GM:前回「はじまりの影」のリプレイを公開したが、反応があったのは君だけなんだよね(笑)。そのおかげで今回こうして君とセッションを行うに至ったわけだが。今回の君の活躍で、TRPGに興味を持ってくれる人が増えることを期待してる。
ジェニー:無茶言うな。
GM:お互い楽しくやれれば興味を持つ人は必ずいるはず。じゃあ始めよう。ルールは「ソード・ワールド2.0」。この世界は3本の剣によって生まれ、人族と蛮族が剣の力を巡って長い間対立していた。300年前の戦争以降、争いは小康状態が続いているけど、どこも安全に暮らせるってわけじゃない。今回は人族と蛮族の争いの最前線、ザルツ地方の北側・ダーレスブルグ公国が物語の舞台となる。では主人公に自己紹介をしてもらおう。
ジェニー:俺はジェニー。プリースト技能が1、ファイター技能が2レベルだ。パラディンの気分で作った。経歴は「家族に探されている」ってなってるから、まあ故郷に嫌気が差してここまで逃げてきて冒険者になったってところだろう。
GM:じゃあそんな冒険者成りたてのジェニーは、冒険者の店の店主に呼び出されるね。ちょっと相談事みたいだ。
ジェニー:何の話だろう。
GM:何でも、店主の息子の友人が、最近行方不明になっているらしい。
ジェニー:えっ、まずいじゃん。
GM:5人組でいつも遊んでたらしいんだけど、2週間前に1人がいなくなり、1週間前にまた1人がいなくなったらしい。
ジェニー:マジか。
GM:街の中を捜してるんだけどなかなか見つからないから、ジェニーにも探すのを手伝ってもらえないかと頼みたいようだ。もし見つけられたら店から報酬は出すらしい。
ジェニー:そういうことなら捜し出さないとな。その店主の息子に話は聞けないのか?
GM:そう言うと、店主は息子のマイクを呼び出してくる。礼儀正しくお辞儀もしてきたよ。
ジェニー:ふむ。とりあえず、何か知ってることはないか話を聞こう。
GM:2週間前にいなくなったのはノイス、1週間前にいなくなったのはミックという。5人の友人仲間で街の外の森を歩いている途中に行方不明になったらしいね。
ジェニー:えっ。さっき、街の中を捜し回っているって……。
GM:父である冒険者の店の店主は、荒くれ者の冒険者を相手にしていることもあって、マイクにとってはすごく威厳があって恐ろしい存在だ。しかも街の外の森には子どもたちで近づいてはいけないと散々言われている。恐怖心から、父にそのことを言えないでいるみたいだ。
ジェニー:父親に言ったほうがいいと思うけどなあ。
GM:マイク自身も言ったほうがいいと思い始めてるみたいだけど、父は怖いし時間は経っちゃったし見つからないしで、自分で言う勇気が持てないようだ。
ジェニー:……まあ、もう少し話聞いてからでいいか。でもなんでまた森に遊びに出たんだ。 GM:大人たちは街の外は危ないから出ちゃいけないって言ってるんだけど、街の中にいると全く危ないことがないから外への興味が出たんだね。街の出入り口は守衛さんが監視してるから出入りできないんだけど、神殿の隅の塀が壊れているのを見つけた彼らは、そこから街の外へ出て森に向かっていたという。
ジェニー:そこで何してたの?
GM:秘密基地なんかを作ったり、木の実を拾ったりとかしてたんだって。神殿から秘密基地までは歩いて15分くらい、せいぜい神殿から2、30分圏内で遊んでたみたい。
ジェニー:今まで危ないことはなかったんだ?
GM:特に何かに襲われたりってことはなかったんだって。だから今まで遊んでたし、突然こんなことになって動揺してるという。
ジェニー:なるほどな。あ、いなくなった時の様子ってどんなだったんだ?
GM:その時は秘密基地へ向かう途中で、一番前をマイクが歩いていて、2週間前には一番後ろのノイスが、1週間前にも一番後ろを歩いていたミックが突然いなくなったらしい。だからマイクにはその時の詳細は分からないらしいね。
ジェニー:そうか。じゃあマイク以外の友達にも話を聞いてみたいな。
GM:一人はエコー、もう一人はハウルって名前だ。
ジェニー:じゃあエコーに話を聞きに行きたい。
GM:マイクが家の前まで案内してくれたよ。マイクがエコーを呼ぶとエコーが出てきてジェニーのことを紹介してくれたよ。
ジェニー:エコーに、何か分かることはないか聞こう。
GM:それを聞くとエコーは、自分に考えがあると言う。怪しいと睨んでいる人物がいるみたいだ。
ジェニー:えっ。誰?
GM:エコー曰く、ハウルが怪しいらしい。何でも、行方不明になったノイスとミックは一番後ろを歩いていたけど、いずれの時もハウルは後ろから2番目を歩いていたのだという。だから、ハウルが何かして行方不明になったんじゃないかってことだ。
ジェニー:何か根拠はあるの?
GM:「とにかくハウルが犯人に違いない!」の一点張りだね。
ジェニー:マイクもそう思ってるのかな。
GM:マイクの様子を見ると、どうにも浮かない顔をしてるね。エコーの意見には同意できないって顔だ。
ジェニー:んー……? 何か言いたいことでもあるのかな。エコーの家からハウルの家に移動ってことにしよう。
GM:じゃあエコーに別れを告げて、ハウルの家に向かいます。
ジェニー:その道中でマイクに話しかける。何か言いたいことでもあるのか?
GM:そう言うとマイクは、エコーの悪い癖だと言う。エコーは裕福な家に住んでいるんだけど、ハウルは友人たちの中で一番貧しい家なんだ。だからエコーはハウルに対していつもきつく当たってるらしい。元来大人しい性格のハウルはエコーの高圧的な態度にどんどん縮こまってしまい、エコーはつけ上がってしまった。いつもそんな調子だから、今回もハウルのせいってことにしてしまいたいらしく、マイクは苦々しく思ってるようだ。
ジェニー:マイクは、ハウルが怪しいとは思ってないわけだ。
GM:ハウルにそんなことができるはずがないってマイクは思ってるんだって。
ジェニー:そういうことならますますハウルにちゃんと話を聞いてみないとな。
GM:そうこうしてるうちにハウルの家に着いて、ハウルが出てきます。話に聞いてた通り大人しそうな感じで、俯き加減で向き合いますね。
ジェニー:2人がいなくなった時に気づかなかったかって聞こう。
GM:すると、しばらくおどおどした様子だったけど、「このおじさんが捜してくれるんだって」とマイクがハウルに言うと、ハウルは話してくれます。2人がいなくなった時、2人とも何かを見つけたように遠くに目を凝らして立ち止まっていたらしい。で、その目に止めた何かを追うようにしてそっちに歩いて行ってしまったんだって。
ジェニー:えっ、ハウルは気づいてたのか!? なんで止めなかったんだ?
GM:先に進んでいくマイクやエコーたちと、何かを追いかけたミックやノイスたちの二手に分かれてしまったから、どっちに声をかけようか、付いて行こうか迷ってるうちにミックやノイスを見失ってしまったらしい。
ジェニー:早くマイクたちを呼んでいればなあ。
GM:そう言うと、ハウルはうつむいてしまいます。
ジェニー:……じゃあ、ミックやノイスが何を見つけたかは分からないのか?
GM:……ハウルも目線を向けてみたけど、よく分からなかったみたいだ。
ジェニー:うーん。ヒントになると思ったが。……じゃあ、ハウルとは別れて、他を当たってみよう。
GM:……他にこの地区には、神殿・衛兵の詰所・ミックの家・ノイスの家・酒場があるね。
ジェニー:なら、ミックの家に行ってみよう。
GM:ミックの家は雑貨屋さんですね。店は普通に営業していて、店主をしてるミックの父が「いらっしゃい」と声をかけてきますね。行方不明の息子がいることを感じさせず、普通に営業してますね。
ジェニー:来たはいいが、何か分かることはあるかな。その父さんに、行方不明になったミックがいなくなる前に様子がおかしかったりしなかったか聞こう。
GM:ミックの父さんには特に心当たりはないってことだよ。ある日突然いなくなってしまって困惑してるようだ。店をやってなければ自分も捜しに行きたいと言っている。
ジェニー:うーん……。じゃあ、ミックの趣味は?
GM:(へ? なんで趣味!? そんなの全然考えてねえ……!)……………………ミックはよく工作してたんだって。店の余り物なんかを利用していろいろ作ってたらしい。ミックの父さんは、あれを見てみな、と後ろの椅子を指さす。
ジェニー:うん。
GM:あの椅子は廃材を利用してミックが作ってくれたものということだ。あまり店が儲からなくてミックに何も買ってやれない分、ミックは自分で作るほうに力を注ぐような子どもだったらしい。そんないい子だったミックが行方不明になってて悔しいという。
ジェニー:そうだったのか……。
GM:(全然想定外のことを聞かれると焦るわー。それを何とかして切り抜けるがゲームマスターの楽しさだけど……!)

その後、これ以上街中で聞きこみを続けても得られるものはないよー、というゲームマスターのぶっちゃけにより、ジェニーは一旦冒険者の店に戻り、翌朝森へ出発することにした。
森にはマイクも同行してもらって道案内をしてもらうことに。
神殿の抜け道から、ジェニーとマイクは森の中へと入る。

洞窟の冒険

ジェニー:2人がいなくなった場所って、どのあたりなんだ?
GM:マイクによれば、神殿から10分くらいの場所みたいですね。
ジェニー:その辺で周りを見渡す。何か変わったところはある?
GM:これといって目につくものはないですね。マイクも、特に思い当たるようなものはないということです。
ジェニー:うーん、2人は何を見たんだろうな。とりあえず秘密基地まで行く。
GM:では、神殿から15分ほどで秘密基地に着きます。そこは岩山に横穴が空いた小さな洞窟になっており、入り口は背丈くらい、奥に数歩進むと6畳分くらいの広さのスペースがありますね。
ジェニー:そこには何があるの?
GM:テーブルとか椅子とかですね。ここにあるもののほとんどはミックが作ったもののようです。マイクが、せっかくここまで来たのでということでお茶を淹れてくれます。
ジェニー:じゃあもらおうか。
GM:マイクがお茶を準備してくれていると、ふと外のほうを見て、「あっ」と声を上げます。
ジェニー:何か見つけたのか?
GM:「森のほうにミックがいる!」
ジェニー:なに!? すぐ外に出る。
GM:秘密基地の外に出ると、森のほうに子どもの姿が見えます。しかし、すぐに森の奥のほうへと消えてしまいました。「あの服はいなくなった日にミックが着てたものだよ! ミックで間違いない!」
ジェニー:……追ってみるか。
GM:ミックが消えたほうへ進んでいくと、大きな洞窟に行き当たります。背丈の2倍ほどはありそうな洞窟の入り口が目の前にあります。しかしミックらしき姿は見当たりませんでしたね。
ジェニー:ここ以外を通った可能性っていうのは?
GM:これ以外に人が通れそうなところがなかったので、ミックはここに行き当たったはずです。
ジェニー:ミックが中に入ったかどうかを確かめたいなあ。
GM:じゃあ〈足跡追跡判定〉をしましょう。ジェニーはスカウト技能とか持ってないんで、平目(ボーナス無し)で振ってもらう。今回は目標値6以上で分かるってことで、振ってみてください。
ジェニー:あい。……「3」。
GM:ちょっと!(笑) ジェニーにはよく分かりませんでした(笑)。
ジェニー:むむむ……。
GM:じゃあ〈聞き耳判定〉もしていいよ。同じく6以上が目標値。
ジェニー:今度こそ……「11」。
GM:極端!(笑) ではジェニーは、複数の声が洞窟の中から聞こえてくるのを確認しました。その言葉はいずれも、ジェニーには理解できない言語で語られているようです。
ジェニー:それって何語なのかは分かるの?
GM:多少は冒険をしたことのあるジェニーなら、蛮族たちが話していた言葉だなあということに思い当たります。意味は理解できないけども。
ジェニー:ううん。これは戦いの匂いがプンプンするなあ(笑)。でもミックがいるかもしれないなら入る。
GM:了解。ちなみに戦闘になったとしても、マイクは攻撃対象に入らないってことにするのでご安心を。
ジェニー:それは良かった。

洞窟内のマップ

GM:洞窟の中のマップはこんな感じ。一番右下の部屋から、左と上に続いています。じゃあ〈足跡追跡判定〉を。
ジェニー:コロコロ……成功。
GM:では、上の方に多くの足跡がついていますね。左のほうにはさほど多くないです
ジェニー:だったら左に行っておこう。
GM:……左の部屋に行くと、旗のようなものが掲げられています。その旗は血で染まっており、これが団体の印であればその集団は凶悪がものであろうと推測できました。
ジェニー:他に何もないようなら奥へ進む。
GM:続いて左の部屋に行くと、これといって目につくものはありませんでした。
ジェニー:なら更に奥へ。
GM:行こうとしたジェニーにはサイコロを振ってもらいましょう。〈罠感知判定〉です
ジェニー:罠かよ!
GM:ここでの目標値は「10」!
ジェニー:き、厳しい……。
GM:大丈夫! 百戦錬磨の君ならやれる!
ジェニー:コロコロ……「5」。
GM:ちょっと修行が足りなかった(笑)。では、落とし穴に落ちます。ダメージは……モロモロ計算してジェニーが受けるのは「1」です。
ジェニー:た、助かった……。
GM:あと、マイクは落とし穴に落ちませんでした。マイクがジェニーを引き上げてくれます。
ジェニー:マイクが無事ならとりあえずいいか……。ダメージもあんまり受けなかったし。
GM:で、次の部屋に行くと、骨が山積みになっているのが分かります。そしてさらに、ボロボロになった死体が転がっており、そこから離れた場所にボロボロになった服が落ちています。マイクによると、その服はミックが着ていたものと同じらしいです。
ジェニー:……じゃあ、死体のほうは?
GM:だいぶ痛めつけられているのと、少なからず日数が経っているのか死体自体の痛みも進んでおり、誰なのか判別するのは難しいです。
ジェニー:……この死体はミックなんだろうな。
GM:マイクはミックの服の前で呆然としてます。ジェニーと同じ事を考えているのでしょうね。
ジェニー:……マイクに、そのミックの服を渡す。
GM:すると、いよいよミックが殺されたのではないかという考えが膨らみ、マイクは何かを堪えるように唇を噛み締めています。
ジェニー:……まだノイスがいる。ここで立ち止まるわけにはいかない
GM:では、部屋の奥に向かって〈聞き耳判定〉してもらいます。
ジェニー:コロコロ……成功。
GM:奥の部屋には3人いるようです。話している言葉はジェニーには分からないものがほとんどですが、その中の一人が時折、交易共通語でひとり言を呟いているようです。「あの子どもの悲鳴は最高だった……」
ジェニー:……この奥に真打がいるってところか。それなら一旦引き返して、まだ見てない部屋のほうへ行く。

入り口から上のほうへ進むと、宝箱が見つかるものの、鍵がかかっていて開かなかった。
また、別の部屋からはノイスの服が見つかり、2人とも犠牲になったことが濃厚になる。
そして、一番奥の最後の部屋へ足を踏み入れる。

GM:そこではベッドの上に蛮族が寝転がっていますね。
ジェニー:何者かは分からんが、それほど強くはないみたいだな(〈魔物知識判定〉に失敗した)。
GM:ジェニーは気づきますが、その蛮族は鍵を通しておくための輪っかを持っていますが、鍵自体はありません。どこかに落としたのかもしれません。
ジェニー:さっきの宝箱の鍵かもしれないしな。探そう。
GM:探すなら〈探索判定〉してもらいます。「6」以上なら見つかるでしょう。
ジェニー:それくらいなら何とかなりそう。振るぞ! ……「4」……。
GM:ちょっと鍵が小さかったんでしょうか。見つけられませんでした。失敗した場合は蛮族が起きるというリスクを背負ってもいいなら、再挑戦してもいいです。
ジェニー:あんまり強そうな奴でもなさそうだし……もう一回振る。
GM:おお。では目標値は変わらず「6」でどうぞ。
ジェニー:コロコロ……「9」!
GM:やったね! 何事もなく見つかりました。
ジェニー:こいつが起きる前にそそくさと退散する。
GM:では、蛮族を起こすことなく部屋を立ち去ることができました。

鍵を手に入れたジェニーは、宝箱に戻ってくる。
手に入れた鍵は案の定宝箱の鍵であり、見事宝箱を開けることに成功した。
中には輝きを放った赤い宝石が入っていた。

ジェニー:宝石を宝箱に戻して、ふたを閉める。
GM:えっ? そ、そう? では、ふたは何事も無く閉じられました(……罠だと思ったのかな……)。
ジェニー:時刻はどれくらい?
GM:2時過ぎってとこですかね。マイクが言うには、3時半を過ぎると森が暗くなって帰り道がたいへんだということです。
ジェニー:……じゃあ、街に戻る。マイクを家に戻して、俺一人で明日もう一度ここに来る。
GM:なるほど……では、特に何も起きることなく洞窟を抜け、森を抜けて冒険者の店に戻ってきました。冒険者の店に戻ると、店主が迎えてくれて、今日の成果を聞いてきます。
ジェニー:……ミックとノイスのことはとりあえず言わないでおく。店主には、明日俺一人でもう一度調べてくるって伝えておこう。
GM:そういう風に伝えると店主は、明日で見つからないようであれば、それ以上は無理に頼まないと言ってきますね。
ジェニー:明日で全部終わるはずだから、了承しておこう。

こうして翌日に移る。
マイクを家に戻し、全ての決着をつけるべく、再度洞窟へと向かった。

決戦

GM:道中特に何事もなく洞窟に着くことができました。
ジェニー:じゃあ、昨日入らなかった部屋の前まで行こう。
GM:はい。部屋の前まで何もなく辿りつけました。
ジェニー:中から声はする?
GM:しますね。今日は2人分の声がします。昨日と同じく、2人の会話の内容を理解することはできない感じです。
ジェニー:……いきなり中に入ることはしたくないなあ。
GM:爆竹でも投げ込むか?
ジェニー:それはさすがに(笑)。じゃあ、とりあえず扉だけガッと開けて、中に入ることはせずに向こうの反応を見よう。
GM:なるほど。ではジェニーは扉を一気に開くと、扉の影に隠れます。……すると中でいくつか言葉が交わされたあと、中から蛮族らしき姿が出てきます。ここで魔物知識判定をしてもらいましょう。
ジェニー:コロコロ……分かりません!
GM:ひとまず蛮族だということだけは分かります。その蛮族はあたりをキョロキョロしてますがこちらに気づく様子はありません。どうしましょ。
ジェニー:待つ。
GM:すると、その蛮族は洞窟の入口の方まで走って行きますね。探しに行ったようです。
ジェニー:そろそろ中に入ってみるか。その部屋の中に入ります。
GM:はい。その部屋の中には机やベッドがあり、そこで一人で生活できる環境であるという印象を受けます。そして部屋の真ん中には玉座があり、そこに蛮族が座っています。その蛮族はジェニーに分かる言葉で話してきますね。「お前、ここになんの用があって来たのだ」
ジェニー:「子どもが行方不明になっていると聞いて、ここまで探しに来た。お前が犯人か」
蛮族(GM):すると嘲笑して、「子どもねえ。確かに子どもを連れ去っているのは私だが」
ジェニー:「ミックやノイスを連れ去ったのもお前か」
蛮族(GM):「ふっ。そんな奴もいたかもしれんが、いちいち名前まで覚えておらぬ。だが、もしや、こいつのことかな?」……そう言うと、そいつはみるみるうちに姿を変えますね。見た目が子どもの姿になり、服などからミックのものだったであろう姿になっています。
ジェニー:こうやって子どもたちをおびき出していたってことか。
GM:そうですね。【ディスガイズ】っていう知っている人の見た目に姿を変えられる魔法を使い、子どもたちを誘っては殺すといったことを繰り返していたわけです。
ジェニー:こいつが犯人で確定か。
GM:ということで戦闘に入ります。最後は戦いで雌雄を決するってことで。

ボス・ディプグレムリンとの戦闘シーンへ。
先制を奪われ苦しい展開が続き、HPはみるみる減少。
しかし、一対一の対決であることから、回復よりもどちらが先に倒れるかの争いに。
壮絶な殴り合いの結果……。

GM:ジェニーの攻撃を受けてディプグレムリンは倒れました。
ジェニー:うわー、危なかった。もう少しでやられるところだった。
GM:間一髪ってとこですな。さて、ジェニーが玉座の奥を見ると、宝箱があるのが分かります。
ジェニー:ここも前見つけた鍵使えるかな。
GM:あ、鍵はかかってなくて普通に開けられます。中には1000G(ガメル)が入ってますね。……それと……小さな箱が入ってます。
ジェニー:何の箱だろ。
GM:その箱はどうやらオルゴールみたいですね。子どもが作ったような粗末な作りではありますが、音自体はしっかりしています。洞窟の中にオルゴールの音色が響き渡ります。
ジェニー:……うむ。あと他には何もなさそうかな。
GM:ジェニーが机の上を見ると、書類が散らばっていますね。その中には「犠牲者リスト」なんてタイトルの紙があって、ミックとノイスの名前も書かれています。どうやら、これまでディプグレムリンが殺した子どもたちの名前が記されているみたいだね。
ジェニー:……これは持っていくか。マイクの親父さんに証拠として見せよう。
GM:ひと通り部屋の中の探索が終わったところで、さっき扉のところでニアミスした蛮族が部屋に入ってきます。倒れているディプグレムリンとジェニーの姿を見て全てを察したのか、脱兎のごとく逃げ去っていきました。
ジェニー:……これでもう犠牲者も出ないかな。冒険者の店に戻ろう。
GM:はい。道中は何事もありませんでした。冒険者の店に戻ると、店主が出てきて成果について尋ねてきます。
ジェニー:さっきのリストを見せて、ミックとノイスが犠牲になっていたことを伝えておこう。 GM:店主は、苦しげな表情で一連の報告を聞いたのち、ジェニーに労いの言葉をかけてきます。そして報酬についてもちゃんと出してもらえました。こうして、マイクには辛い結果となりましたが、今回の事件に関しては解決をみることができました。……お疲れ様でした。
ジェニー:お疲れ様でした。

前へ(概要) / 一覧 / 次へ(反省会)

2013年2月25日 公開